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どるとるの部屋


[5300] ざくろ
詩人:どるとる [投票][編集]


好きという気持ちは 見た目きれいで
ナイフを入れれば頗る醜い
果汁のような 中身が飛び出して
お互いになじり合ったり 疑い合ったり
みっともないもんだ
愛は ほんとはね
それほど美しくなんかなくて
理想の域を出ない架空のおとぎ話
ざくろのような
醜悪な容姿です
人を思いやったり気遣ったりって
簡単に言うでしょう
だけど心の中はどす黒くて

そんなに人をしょっちゅう大切になんか出来やしない
人は ほんとはね
それほど 優しくはなくて
血みどろリアル
異臭を放つラフレシア 好き嫌いの分かれるものです
でも、愛せるのは
そんな人だから
傷のひとつふたつ
気にはしないよ
見た目だけですべてを決める人は知らないんだよ
ざくろの甘さを
愛は ほんとはね
それほど美しくなんかなくて

理想の域を出ない架空のおとぎ話
ざくろのような
醜悪な容姿です
ざくろのような
不憫な容姿です。

2014/05/06 (Tue)

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