詩人:どるとる | [投票][編集] |
流れる街の風景を
電車の窓から見ていた
時刻はもう午後5時
空は真っ赤な夕暮れさ
この窓の向こうにはいくつもの
人々の暮らしがあるんだろうな
僕の知らない悲しみが
僕の知らない喜びが
そして僕の知らない幸せが
生まれては消えてく
気泡のような物語
駅名を告げるアナウンスは機械的で
感情の入ってない
機械仕掛けの言葉
へたくそでもいいから
誰かのためにって
みんな 思えたらいちばんいいのに
僕の知らない 場所で
僕の知らない 人たちが
それぞれの暮らしの窓に
今を映しながら 命をつなげている物語
気づけば 眠ってしまって
気づけば ほら降りる駅を 告げる
アナウンスが聞こえて
ホームに降りれば すっかりあたりは暗くなってた
そうやって日々を
繰り返してく
くだらないことも
案外大切なことも
この窓の向こうにはいくつもの
人々の暮らしがあるんだろうな
僕の知らない悲しみが
僕の知らない喜びが
そして僕の知らない幸せが
生まれては消えてく
気泡のような物語
僕の知らない 場所で
僕の知らない 人たちが
それぞれの暮らしの窓に
今を映しながら 命をつなげている物語。