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どるとるの部屋


[5321] さざ波
詩人:どるとる [投票][編集]


裏路地 夕景 ひとり風に包まれていた
誰かの影が見えるよ
手を振る影が だんだん遠ざかる

今日の痛みを 残したままで
消えてゆく 今日という一日
寂しいのは嘘じゃないから
どうかずっと側にいて

押し寄せるのは さよならのさざ波
引いていくその時 命のかけらをさらってく
ちっぽけな貝殻のような白い思い出

あとにはただ 何事もなかったように
静かな砂浜のような 夜がそこに広がっているだけ

やがて屋根を飛び越えて
訪れる夜明け。

2014/05/10 (Sat)

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