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どるとるの部屋


[542] 空の小唄
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


どこまでも真っ青で透き通った鏡みたいな空に映った
ひとりぼっちの孤独な自分の影と抱える悲しみの大きさを物語る涙
空は心以上に人の心の内を見透かす
ほらまた空は僕の悲しみを見事にかすかなその色合いだけで当ててみせた

水たまりひとつさえ飛び越せない僕には
お似合いの未来だね
見渡しても美しさのかけらひとつ転がってないよ

そして今日も僕は空に問いかけてみる
ねえ 今僕が生きているのは正解なのかそれとも間違いなのかを
それでも空は何もこたえずただお得意のいつものすまし顔でごまかしたまま

どこまでも真っ青なあの空のように
僕の心もただ真っ青く染まっているよ
笑っているのかな
泣いているのかな
西高東低の気圧配置
天気はいつも変わりやすい空の顔
僕はただ眺めながら明日の天気 自分なりに占ってみるのさ

明日はきっと大降りの涙が降るでしょう
一日中 やみません
長い長い時間の果てに何を求めているのかな
ただ安らぎだけを求めているのかな
空の顔をうかがいながら僕はちょっと微笑んでちょっとだけ皮肉って
夢の中へ今夜も直行
郵便屋さんより早く僕は夢の夢の夢のそのまた夢の中へ
意識ごと直行さ

ただ明日も同じような一日であることを望むばかり
なんて平和な願いなんだ
でも切実な願いだ

ああ どこまでも
どこまででも真っ青な空に飛行機雲がきれいな直線を描いてやがて消えた

「命はいつか生まれ
いつかは消える」
そんなまとまりのない言葉で終わる一日もいいね
あんなふうにきれいに死ねたらいいね

とてもとても素晴らしい一日
今日は多分きれいな星空が見れるだろう
なんてね僕は笑う
ひとりぼっちの部屋
ひとりぼっちで会話
投げても投げても戻らないコミュニケーション
夜空に消えてゆく
立ち上る煙のように

夢の中まで夢で満たして僕は空に鼻歌おくるのさ。

2009/11/21 (Sat)

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