ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 閉じる光

どるとるの部屋


[5475] 閉じる光
詩人:どるとる [投票][編集]


夜明けの街 静けさの中に 香り立つ珈琲の匂いと少しの朝もや

悲しみなどは みじんもないけれど
どこか片付かない何かを背負っている

どこまで行こうか もつれた足で
誰を愛せるだろうか 自分さえも
愛せない僕に

瞼を閉じて 見える暗闇に描いた
我が儘なイメージにそっと光を届ける

何でもない朝の片隅に 咲いている朝顔が そっと涙流すように朝露に濡れてる

暮れなずむ街 あっという間に訪れた夕闇
切なさを滲ませてる

惨めなもんだろう 傷つきながらも
必死でその傷跡を隠すみたいに生きてる

どこまで行けるだろうか 独りで
誰が愛してくれるだろうか
憎んでばかりの僕に

目を開いてまた閉じる そんな単純な行為
絶えず繰り返される起床と睡眠

始まるものと終わりゆくもの 呼吸するように 僕の中で 君の中で息づいてる

目を閉じるように
耳を塞ぐように
人知れず 閉じる光
誰も知らない悲しみが
誰も知らない痛みが
今日を包み込んでる。

2014/07/05 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -