ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 手のひら

どるとるの部屋


[5527] 手のひら
詩人:どるとる [投票][編集]


お母さんが子供の手をにぎって
生まれてきてくれてありがとうって
ささやくような仕種に光を見るんだよ

ちゃんと血の通った手のひらじゃないと
叩いても抱きしめても意味は無いのです

「ただいま」って言うときも
「おかえり」って言うときも
お母さんの手のひらは遠くからでも
わかるほどに大きくて僕をいつでも
優しくあたたかく包み込んでいる

愛してるって言わなくても
わざわざ言葉にしなくてもね
愛なんて伝わるんじゃないかなあ

愛なんてさ 言葉じゃ伝えきれないから
そんな時は何も言わずに肌にふれるんだ

仲良く寄り添うときも
背中合わせで喧嘩したときだって
あなたは僕のことを心配してくれる
何より僕のからだを気遣ってくれるよ
大事な気持ちは心を伝って届いてる

ほんとは素直にありがとうって言いたいよ
恥ずかしがらずに胸の奥に隠した気持ちを吐き出したいな
疲れたようにしわくちゃのあなたの年老いた手のひら
見つめながら僕は思うよ
今まで迷惑かけてきたからこれ以上迷惑はかけちゃいけないって

「ただいま」って言うときも
「おかえり」って言うときも
お母さんの手のひらは遠くからでも
わかるほどに大きくて僕をいつでも
優しくあたたかく包み込んでいる

世界でただひとりの僕のお母さん
大人になった今でも僕を守っている。

2014/07/15 (Tue)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -