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どるとるの部屋


[5532] 無色透明
詩人:どるとる [投票][編集]


透明な輪郭をなぞる見えない指先が
頭の中のイメージを縁取ってゆく

それはたとえばここにあるのに
どこにもない幻さ

それでもあると思えばなんだってここにあるよ
見えないものも聴こえないものも

無音の中にそっと耳をすまして
暗闇の中にそっと目を凝らして
想像するんだよ ありもしない世界を
そしてつかまえる感触のない確かなもの

触れられるものなら手を伸ばせばいい
でも見えないものや聴こえないものは
どうやってつかまえればいいのか
それを知るにはさわぐ心を落ち着かせて
静寂の中に そっと紛れ込むかすかな
心の揺れ動きに敏感になることさ
丹念にその音に神経を集めてはじめて
見えてくる聴こえてくるものがある

透明なのに色鮮やかに僕や私だけの世界。

2014/07/15 (Tue)

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