詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
名もない今日の中
名もない朝や夜が
たったひとつの命の前を通り過ぎてく
今日はひとつなのに
いくつもの悲しみが
いくつもの寂しさが
通り過ぎてく
うれしいも悲しいもない ただ空っぽな頭で
ふと思った 「死にたいなあ」
そんないい加減な気持ちじゃないはず
それなのに 僕は限りなく汚れていく
名もない人ごみの中
人が集まれば
名前などつけられよう筈もない
あなたもひとり僕もひとり
誰もひとり 寂しさを必死に押し殺してる
笑ったり 泣いたりすることさえ疲れたから
終電間近の電車に飛び乗って
なんとなく窓の外の過ぎ行く景色を見てた
いつの間にかほほを伝う涙が心を洗った
そしてやっぱりたどり着くのは
どうして僕は
なんのために僕は
生きているのか
そんなことで
うれしいも悲しいもない ただ空っぽな頭で
ふと思った 「死にたいなあ」
そんないい加減な気持ちじゃないはず
それなのに 僕は限りなく汚れていく
でもそのシミは僕が刻んできた足跡のひとつだ。