詩人:どるとる | [投票][編集] |
雨上がり 虹が架かるのを
誰もが待ち望みながら空を見上げる
でも 悲しみのあとには静かすぎるほどの世界があるだけ
探してみても 虹はどこにもない
「希望」や「期待」という言葉は
ある程度の可能性を揶揄した言葉で
完全な 絶望の前では 何ひとつ意味をなさないんだ
だから僕は雨上がりに 虹なんか期待しないよ
痛みと引き換えに出来るものは
虹のような美しいものじゃなくて
きっと、生きているということを
ただ確かにするだけの事実確認さ
それでも僕は 虹を待つ 奇跡みたいなわずかな確率に身を委ねるばかな人間さ
防空壕みたいに 何かから身を守る
襲い来る見えない雨に濡れながら
日々 少しずつ身を削がれる思いで 生きている みんな
ありもしない奇跡を待っている
光と影のよう 対をなすものはすべて
ある程度の状況下の中でしか輝けない
空の終わりを探してみても見つからない
この世界は
そして誰かが見つけた虹によく似た何かを
僕は虹とは呼ばないけれど とてもきれいだと思った
悲しみのあとに待つものが 悲しみだとしても
明けない夜や やまない雨なんて言葉を
何度も反芻して口ずさみながら 奇跡みたいな頼りない光に 手を伸ばしてる
だから僕は雨上がりに 虹なんか期待しないよ
痛みと引き換えに出来るものは
虹のような美しいものじゃなくて
きっと、生きているということを
ただ確かにするだけの事実確認さ
それでも僕は 虹を待つ 奇跡みたいなわずかな確率に身を委ねるばかな人間さ
どんなに絶望に打ちひしがれても 希望を見失わないのは
雨上がりに架かる虹みたいな 「もしも」に期待するから。