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どるとるの部屋


[5753] 雲をつかむ話
詩人:どるとる [投票][編集]


糸を紡ぐように
何かを丹念に
形にしてゆくんだ
そのための時間だろう

ふいに産まれた
僕らの存在は
空気と同じで とても曖昧で朧気なんだ

なんとなく 見上げた
空に飛行機が 残した 雲が 見えたんだよ

光は 午後の陽気の中跳ね回る
僕らは幻と戯れながら 雲をつかむ話をする

それは壮大な物語 大げさな無駄話
だけどいつか 君の中で宝物みたいに 輝くだろう

アルタイルは見つめてる
遠く離れた あの人を思いながら
時間の中に閉じこめられて

何かを隠し通すには
都合がいい夜だ
誰かの下手くそな歌声が 夜を揺らした

なんとなく 笑った
君のそんなしぐさに
僕もなんとなく 笑ったんだよ

夢を見ているような夢に魅せられてるような 浮ついた時間はこのまま平行線をたどる

それは 原始の賜物 琥珀のような記憶
遠い昔に誰かが培った 得難い眺め

光は 午後の陽気の中跳ね回る
僕らは幻と戯れながら 雲をつかむ話をする

それは壮大な物語 大げさな無駄話
だけどいつか 君の中で宝物みたいに 輝くだろう。

2014/08/29 (Fri)

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