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どるとるの部屋


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詩人:どるとる [投票][編集]


ねえ 見てごらん
名前も知らない花が
風に揺れてる
その姿は笑ってるようだろう
ねえ 見てごらん
雨が降る日には花が雨に濡れてる
その姿は どこか泣いているようだ

心を映したように 寂しげな街並みで
僕は何を探しているんだろう
見つかるわけもない絵に描いたような幸せを探している

花は何も言わず静かに咲いているのに
人間だけが 「生きていること」を
悲しいとかうれしいとか思いながら生きる
感情や心がそうさせる
だから素晴らしい
だから素晴らしい

ねえ 聞いてごらん
世界にある音たちが
いろんな色で
この世界を鮮やかに染めている
ねえ 聞いてごらん
ただの音と侮って 心に埃かぶせれば
聞こえるはずの音も聞こえない

心をなくしたような 空っぽな世界には
何ひとつ美しいものはない
探し出すんだ なくした光を いつか捨てた思い出を

花は 枯れるときも静かに散っていくのに
人間だけが 「死んでいくこと」を
まるですべての終わりのように思うんだろう
わかっていたことのはずなのに
なぜかたまらない
なぜかたまらない

私は私に言うんです
おまえはなんのために 生きているのかと
こんなに小さな花に教えられるなんて
僕はなんて ちっぽけなんだ
何か大事なものを見失ってしまった

花は何も言わず静かに咲いているのに
人間だけが 「生きていること」を
悲しいとかうれしいとか思いながら生きる
感情や心がそうさせる
だから素晴らしい
だから素晴らしい

花は 枯れるときも静かに散っていくのに
人間だけが 「死んでいくこと」を
まるですべての終わりのように思うんだろう
わかっていたことのはずなのに
なぜかたまらない
なぜかたまらない。

2014/08/28 (Thu)

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