詩人:どるとる | [投票][編集] |
ここに存在するすべてのものに
重なるように 寄り添うように
生まれる影 今日も僕の足元に そして君の足元に揺れている
形あるものにも 形のない 見えないものにも 影はあって
確かなその輪郭を 縁取るように 存在を明らかにする
ただ僕らは ここにいて
生まれた意味さえもわからず
暮らしの中に 身を置いている
そんなことさえなんだか滑稽だから
せめて 足並みをそろえて
手を取り合って それらしく生きる
どんな場所にも どんなものにも
光が あたれば 影が出来るよ
命を持たない ものも影があるなら それは嘘じゃない
たとえば 君の中にも僕の中にも 多かれ少なかれ影は生まれる
不確かなものを確かにするのは 目には見えない影
笑ったり 泣いたりすることさえ
誰かに強要されてるわけじゃない
それなのにどうして笑い 泣くんだ?
そんなことさえまるで 曖昧だから
せめて 人の気持ちもわかったように
同じ命を 持っているのだと確かめ合う
夕暮れが 街に影を落とすとき
すべての光は 闇に吸い込まれていくのに
どうしてだろう まだ光は残ってる
僕らはいつから闇を恐れて 影さえも照らそうとしたんだね
でも 君の心に 生まれた影は消えないよ
だって影があるから君はここにいるんだ
生きてることさえ 影がなければ
確かめるすべさえ持たない
あるはずもないものを確かにしている
影は 曖昧な存在を支えている
僕らは その影に助けられて生きてる
命の 足元に生まれる影
君に生きていることを教えてる。