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どるとるの部屋


[5811] 僕のカメラ
詩人:どるとる [投票][編集]


お小遣い貯めて買った小さなカメラで
いろんな景色を 写しました
君の笑った顔が撮りたくて買ったカメラなのに
どうして君は どこにレンズ向けても
見当たらないのかなあ

君との思い出は 心の中には こんなに
あふれているのに 一枚の写真も無いよ
机の引き出しにしまい込んだ僕のカメラ
今じゃもう埃かぶって いくらの値打ちもない

少し大人になってからこのカメラで
自分の子供を 写しました
小学校の入学式 青空の下 元気いっぱいに笑う君がいた だけどふいに思い出した
本当に撮りたかった人

どんなにうまく撮れた写真でもきっと
その時の気持ちだけは写し取れないから
人は シャッター切るのと同時に心のシャッターも切るだろう
いつまでも忘れないように

遅くなってしまったけど君と行きたかった場所に来たよ
そして、僕はそっとあの頃の君に向かってレンズを向けて
シャッターそっとおろすんだ
撮るよ はいチーズ
思い出は色あせない
そこに君はいなくても心の中で
いつでも君に会える。

2014/09/17 (Wed)

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