水清き 河の流れにわたしは笹舟を浮かべたくした願い事ひとつ季節はただようように手のひらからすべり落ちる濁りのない透き通った赤子の額のように白く 輝く 決意岩のようなかたい意志を 胸の奥に抱いたまま少年は 追えどつかめぬ明日を追いかける夏の暑さに 目が眩み冬の寒さに 凍てついてそれでも 暖かな春を待ち 何度でも 何度でも押し寄せては引いてゆく繰り返す季節の波にわたしはわたしを乗せるのです。
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