詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつまでも 終わらない夕暮れの中を
たった一人きりで歩いた
寂しさなどはもうとうに通り過ぎて
笑顔はもう長いこと浮かべてない
何も無かったように跡形もなく
影すら残さずに消えてく 消えていく
ねえ命には 影なんてものさえないから
消えてもわからない
体はただの入れ物なんだよ 体の中に本当の自分が満ちている
だから私が消えたら私はどこにもいないよ
ここにいる私さえ私じゃないかもしれない
大人へとなる道を辿って来たけれど
大人って いつからそう呼ぶのかな
姿形は変わるけど心は見えない
ただ日ごと変わる私が人の目に映る
何ひとつ遮るもののない場所で
遠くで明かりが揺れて未来がはみ出した
ねえ私の命はこの世界にたったひとつ
そんなこと誰も同じなのに気付かないで通り過ぎる 大切なことをいくらでも見失う
だから私が私だというあかしは多分ずっと見つからない
私自身でさえ私が私だという自信さえ持てずにいるから
ただ走ったよ 息が切れるまで
空っぽのからだをもっと 私で満たしたくて 私は私をさがした
ねえ命には 影なんてものさえないから
消えてもわからない
体はただの入れ物なんだよ 体の中に本当の自分が満ちている
だから私が消えたら私はどこにもいないよ
ここにいる私さえ私じゃないかもしれない
誰も私じゃないのかもしれない。