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どるとるの部屋


[5826] 指先に灯る
詩人:どるとる [投票][編集]


上辺だけの優しさで満たされている
ただ今日は ひたすら誰かを羨んで
隣の庭ばかりを 覗き込む哀れな日々

立ち並ぶ夢の幻影がありきたりな街に
溶けて踊ってる

なんて眩しい 魅惑的な景色なんだ
僕は大切なことさえ忘れてた

小さな ぬくもりも
冬の寒さの中では
何よりありがたい
尖った心にしみるよ

人は独りでは生きられないことも本当は
痛いほど知っている
寂しさの中では
指先に灯るほどの熱さえも愛しいんだなあ

かくかくしかじかありまして逃げ道を走る
今日も暮れてく街に 夜が押し寄せてくる
光という光を集めながら 喰らうように

どうしてだろう 愛というものは飼い慣らせない 代物だ

憂うつと退屈の狭間にただよえば
見える景色などたかがしれている

どんな誰でもいい
優しさがあれば きっと雨も心地いい
傘なんていらないよ

人は 道に迷った時、道をたずねる人を探すだろう
道なんてない人生も
一人で生きるのと二人で生きるのとではわけが違うのさ

立ち尽くす 孤独の中に 僕は何を見つめている
燃えている夕暮れの赤い色に ほほを染めながら 流れ落ちる涙だけは素直に
心を露わにしてる

小さな ぬくもりも
冬の寒さの中では
何よりありがたい
尖った心にしみるよ

人は独りでは生きられないことも本当は
痛いほど知っている
寂しさの中では
指先に灯るほどの熱さえも愛しいんだなあ。

2014/09/20 (Sat)

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