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どるとるの部屋


[5838] 旅立ちの日
詩人:どるとる [投票][編集]


旅に出るなら 心をひとつだけ
トランクにつめ込んで 出かけよう

同じような 人たちが同じように 迷い悩み苦しむこの世界

滑稽だなと 眺めている僕も あなたと同じ世界で生きている

窓を開け放って
世界を見つめれば
ほらね ありふれた
毎日がどれだけ
幸せかわかるよ

花さえ ためらいなく
大地に根を張って
川は穏やかに流れ
青い空に雲が浮かぶ

うれしそうに
笑ってるこの時間だけは 世界に悲しいことなんてないんだと思えるんだよ

夢を見るなら 大げさな夢を見る
現実の追いつかないところまで逃げる

変わらない街並みを変わらない僕が 変わらない気持ちで

いつまでも旅立ちの日を遅らせて もう何度も友を見送った

風を あつめよう
少し違う角度から
世界を見つめれば
見違えるよ
今までの世界が

目には見えない色に染まる
画用紙いっぱいに描く私だけの世界
そこには涙はない

今度は僕が誰かに見送られる番だ 今日は旅立ちの日
夜が明けたら 身支度をととのえて 扉を開こう

花さえ ためらいなく
大地に根を張って
川は穏やかに流れ
青い空に雲が浮かぶ

うれしそうに
笑ってるこの時間だけは 世界に悲しいことなんてないんだと思えるんだよ。

2014/09/23 (Tue)

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