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どるとるの部屋


[5847] うそ
詩人:どるとる [投票][編集]


花に重ねようか 命の有り様を
咲いては散ってく その姿は命に似ている
時を重ねようか 脆くも崩れ去るまで
高い塔のように 雲の上まで 積み上げる
神様は いない世界だから 理不尽や不条理がまかり通る
今日も善人が泣いて
悪人は笑う

優しい人の頭の上に
爆弾の雨が降る
無垢な子供のそばに
血が流れる
世界を平和と思うのは自分たちの
世界しか見えてないから
僕らは知らないんだ どれだけ世界が広いのか だから世界の汚い部分を知らない
狭い世界で生きてる
ちっぽけな存在

痛覚が麻痺した僕らには
わからない 他人の痛みは誰にも
物語を綴ろうか 風にめくられるページ
放っておけばそのままどこまでも行く
魔法なんか ありえない世界だから 大人も子供もなく痛みは
肌を突き刺して貫いて 心を踏み潰す

笑顔のそばには必ず誰かの涙がある
傷ひとつない子供がいれば
片足のない子供がいる
世界を平和と思うのは自分たちの
世界しか見えてないから
僕らは知らないんだ どれだけ世界が広いのか だから世界の汚い部分を知らない
狭い世界で生きてる
ちっぽけな存在

幸せに自惚れているだけの
僕らに見えている世界は巧みなうそのようで。

2014/09/28 (Sun)

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