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どるとるの部屋


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詩人:どるとる [投票][編集]


目に映るのはすべての本当のことかなあ
耳に届くのはすべてやさしい音かなあ
聞きたくもないことや見たくもないすべてを
僕は愛せるかな
僕は抱きしめられるかなあ

ささやくように風に揺れる柳が
さらさらと音立てていつものように
道草をする僕に話しかけている
雪が降るのを待ちわびる君は
不器用なステップで地面に円を描く
美味なる季節を 縁取るように

風がふゅるり 髪を巻き上げる
僕は振り返る 君は遠くを見てる
慌てて何かを取りに戻ってももうないことを知ってる
僕は夕暮れの中 立ち尽くす

瞳の中 染める オレンジ色が
どこまでもきれいで泣きたくなるよ
君の右手が 僕の左手をつかんでいる
十月の空に浮かぶ雲が向かう先は
まだ見ない新しい明日に続いてる
食い散らかした きのうを片付けよう

尺取り虫が 進むような 形 その歩き方
少しずつ体を 前へ前へと蠕動させてゆくように僕も 歩いていけたなら

ささやくように風に揺れる柳が
さらさらと音立てていつものように
道草をする僕に話しかけている
雪が降るのを待ちわびる君は
不器用なステップで地面に円を描く
美味なる季節を 縁取るように
そこにある世界を
嫌いなものごと 平らげるように。

2014/10/12 (Sun)

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