言葉もなく僕らはただ暗闇の中に
身をひそめて 隠れるように息をした
水銀灯の光だけが時折ゆらゆらと揺れて
陰鬱な路地裏にやがて来る夜を待った
「なぜ」だとか「どうして」だとか
もう考える気力もなくすべてを流れるように受け入れた
ああ数えきれないほど繰り返した
自慰のような その場しのぎの安らぎを
得るために 僕らは生きていく
どこまで行くのか どこまで行けるのか
道は来る者を拒まずただそこにある
踏み出したその一歩から世界が広がる
夜明けとともに消え失せるあの光
わけもなく 愛おしくて。
2014/11/12 (Wed)