詩人:どるとる | [投票][編集] |
この街に生きる人々の一人一人を僕は知らないし
君も僕を知らないだろう
どんなに声を張り上げたって意味はない
だからそっと静かに波が寄せては引いてゆく音を 聞いていよう
振り返るその背中に
映るいくつもの思い出が いくつもの物語を抱きしめてる
ああ 生きているんだ まるで息を吸って吐き出すみたいに 明日もあさっても
あなたの背中は何も変わらないままそこにあるのね
思い出ばかりにとらわれていたら明日を生きられないからね
そろそろ前を向いて歩きなさい
人は前に向かって歩く生き物だって誰かが言っていたよ
鏡のように映してる
あなたと私が見てる世界 それはいつもすれ違う
ああ それでもいいんだ 座ったり立ち上がったりするように繰り返しなさい
いつの間にかあなたの背中は思い出を背負ってるのね
ふと目を閉じて考える
どれだけの人がこの世界に生きているのか
そしてどれだけの人が明日を望むのか
ただ僕は誰かの背中を見つめたまま
そこに映る 影や光に気付いたよ
僕の好きな人の背中は泣いていた
振り返るその背中に
映るいくつもの思い出が いくつもの物語を抱きしめてる
ああ 生きているんだ まるで息を吸って吐き出すみたいに 明日もあさっても
あなたの背中は何も変わらないままそこにあるのね
たまには疲れたその背中を後ろから 抱きしめてあげなさい。