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どるとるの部屋


[6010] どこでもドア
詩人:どるとる [投票][編集]

がらくたでつくった僕のお城は
いつか空に手を伸ばした人のように
やがて雲を追い越して高いところまで届いたよ
冬を 越さずに 春を待たずに 僕の中に咲いた気持ちはやがてアカシアの花になって 気まぐれな旅人になってドアを開ける

どこにでも行けるドアを探していたんだよ
ひとりにひとつだけあるはずのドアを探していた
どこにでもあるドアには取っ手なんてなくて
君の心が鍵になって 知らない明日に連れて行く
その向こうでまた新しい物語が歩き出すよ

壊しながら作り替えたりもしながら
だんだん 形になるものをつくってる
子供はイメージだけで空も飛べるんだよ
夜を越えずに 朝を待たずに 君の中に生まれた気持ちはやがて ラブレターになって 宇宙飛行士になって きのうに手を振る

誰にでも会える不思議なドアを探していたんだよ
この世界のどこかにあるはずのドアなんだ
夢を見たりするのは君の勝手な旅のスケジュールで
誰もそれを強制も邪魔もしないよ
その気になった時にだけドアは開くんだ

地図は 白紙のままで 道はただいくらでもあって 好きなように選べばいいだけなのに 旅を楽しめない人はひたすら 生まれてきたことを後悔するだけだよ でもそれって悲しくないか?

どこにでも行けるドアを探していたんだよ
ひとりにひとつだけあるはずのドアを探していた
どこにでもあるドアには取っ手なんてなくて
君の心が鍵になって 知らない明日に連れて行く
その向こうでまた新しい物語が歩き出すよ

窓の向こうではもう夜が明けて朝が見えるよ。

2015/01/25 (Sun)

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