詩人:どるとる | [投票][編集] |
愛を人は間違えて覚えてはいませんか
優しいだけの愛は愛とは呼びません
時には北風のように
あなたの間違いを厳しく諭すその厳しさの中に愛はそっと咲いている
愛を真っ正面から語るなら気取らずおごらず飾らずに
ほんの少しだけ 厳しさを戒めるように
あなたのことを愛してると言葉じゃなく
肌にふれて そのぬくもりで君に応えよう
人を愛す為の「愛してる」の言葉には 優しさなんかたまに 見えるくらいでいい
人に愛される為の「愛してる」の言葉など なんの役にも立ちません
愛されたいと思うなら 涙する誰かのそばに黙って寄り添いなさい
愛の形を間違えて覚えてはいませんか
愛はいわば背もたれのない椅子です
愛には寄りかかるための背もたれなどはいりません
愛は疲れた心を暫しあずける場所だから
愛をきれいごとで謳うなら 讃えず変に敬わず持ち上げず
ほんの少しだけ 微笑むように ささやいて
愛は愛だと そのままの意味だと愛を知らない子供たちに教えるのが大人のつとめ
人を貶める為の「愛してる」の言葉など 愛など名乗るもおこがましい
印象を良くする為の「愛してる」の言葉はまるで空っぽの瓶のよう
空気の重さだけが そこに愛があるかのように巧みに愛になりすましている
人を愛す為の「愛してる」の言葉には 優しさなんかたまに 見えるくらいでいい
人に愛される為の「愛してる」の言葉など なんの役にも立ちません
愛されたいと思うなら 涙する誰かのそばに黙って寄り添いなさい
そうして教わったものそれだけを「愛」と呼ぶことだ。