詩人:どるとる | [投票][編集] |
目を開いて見えるものは 大抵のものはすべてあざやかな色に染まっている
目を閉じるとただ暗闇だけがどこまでも僕の世界を覆って色なんてないね
窓の外の雨音が聞こえるのも 誰かの声が聞こえるのも 同じ世界の今だから
今ある悲しみや喜びに差別なんかない
ただ君と僕が生きる世界が違うだけだ
それは 冷ややかに僕の手のひらに降る雨
それは あたたかな僕の心に差す陽射し
僕を愛する人だけがくれる 無償の愛
口を開いて こぼれる言葉は 嘘に紛れて誰かをやたらに傷つける
口を閉ざせば 目を閉じるより僕は役立たずで途方に暮れるだけ
誰かがその生涯を閉じるのも誰かの産声が上がるのも 同じ世界の姿だから
生まれもっての境遇に悪意はない
誰ひとりそれに口出しをすることはできない
それは 冷ややかに僕の手のひらに降る雨
それは あたたかな僕の心に差す陽射し
僕を愛する人だけがくれる 無償の愛
それは 今日まで積み重ねてきた思い出
それは 明日からまた積み重ねる思い出
人を愛することができる人だけが与えられる 見返りのない愛
それは 冷ややかに僕の手のひらに降る雨
それは あたたかな僕の心に差す陽射し
僕を愛する人だけがくれる 無償の愛。