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どるとるの部屋


[6021] とある被写体
詩人:どるとる [投票][編集]


旅は続くよ どうやらこの先も 僕は帰れない 僕は帰らない
どこへ行こうか どこまで行っても合わせ鏡のような世界だな
空が地面を映して
地面は空を映して
僕の瞳が 君を映して
君の瞳が 僕を映して
だけど心は 心を映せないよ だから

心はそれだけでは何も映すことはできない
ただ 頑なに暗闇を見つめるだけ
だから世界は僕の本当の心に気づかず
いつまでもこんな所に置き去りにしているんだろう

覚めない夢の中で 痛みも苦しみも本物の夢の中で
僕は今日も 空の終わりを探して ひたすら歩き続けてる
この心には目はないから この瞳が見たものがそのまま心に映る
被写体は いつも世界
被写体は ずっと世界
だけど 世界はいつもここにあって どこにもない

心は それだけでは何の意味も為さないんだよ
鏡が映せるのはせいぜいそこにあるものだけ
だから 僕はあなたを見ても あなたの心までは見えないんだ
だから僕はあなたを知りたくて 目を凝らすんだ

心はそれだけでは何も映すことはできない
ただ 頑なに暗闇を見つめるだけ
だから世界は僕の本当の心に気づかず
いつまでもこんな所に置き去りにしているんだろう

でもその寂しさが 紛れもなく僕を生かす光だということも本当だよ。

2015/01/27 (Tue)

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