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どるとるの部屋


[6043] まばたき
詩人:どるとる [投票][編集]


そして僕は目を閉じて世界を遮る
それで逃げきったつもりだった
だけど僕の閉じた瞼の向こうには
変わらず忙しい世界があるんだろう
知っているよ だからこそわずかでも
世界から距離を置くために
悪あがきのまばたきを繰り返すんだ

暗闇の中に佇んで
見えるはずもない光を探している
重ねていく 時と時
すれ違うような命は死と隣り合わせ
僕はただ、何も知らないふりで 今日を通り過ぎていく

隔てるものなんて本当は何もない
全て僕がつくったイメージだ
見つめる先に 確かにあるものを
それと認識させるものはなんだろう
わからないことがわからないんだ
最初から解けない謎を抱えている
嘘で隠れた世界に もういたくない
夜なんかより 海の底よりずっと暗い
明日を知っている

変わりゆくもの そして変わらないもの
その狭間で呼吸する
僕らには何も知らされていない 無意味の意味があるなら

このまばたきひとつにも意味はあるのだろうか
瞬間、遮られる世界が 次の瞬間にはもう違う世界なら
僕も違う僕だろう

暗闇の中に佇んで
見えるはずもない光を探している
重ねていく 時と時
すれ違うような命は死と隣り合わせ
僕はただ、何も知らないふりで 今日を通り過ぎていく

僕はただ生きる それだけしか出来ない
物語の終わりまで
そして僕はまた何度でも同じ場所に戻る
今日という場所でまた今日を待つのさ。

2015/02/08 (Sun)

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