詩人:どるとる | [投票][編集] |
台風何号かが 接近している
そんなニュースがテレビでやっていた
でも僕はそんなもの気にもせずに
目を閉じたまま夢のまどろみに沈んだ
ジオラマみたいな街を見下ろして
とってつけたような言い訳で言いくるめる
君のあまりにも突飛な話についていけず
ふと別の話題に話をずらす僕の気持ちも
春も嵐も 片付かないままのあれこれも
きのう見た夢もしょぼい未来への野望も
出せないままの手紙も降り止んだ雨に
消えて 跡形もなくなって やがてまつりのあと
平行線をたどるばかりのストーリー
ねえ春一番が吹く頃には
つなぎ合わせた継ぎ接ぎの縫い目も
隠れて見えないくらい曖昧になって
好きとか嫌いとかどうだっていいくらい
当たり前って言葉が似合うかなあ
それでも離れたらすぐ不安になるよ
君の飛躍しすぎた話に付き合えるのは
世の中で僕くらいだと言ってみせるから
彼も彼女も 大概だ もういい加減にしろ
物語のページを埋め尽くすほどの記述に
思い出という体のいいタイトルを添えて
きれいに飾り付けても すぐに滲み出すインク
またスタートラインからやり直し
くだらないんだよ あなたが言うおとぎ話なんて
もうそろそろ全部 夢だと気づくべきだよ
閉じたままの目を開いて世界を その目にちゃんと映して
嘘と本当を 見極めて
春も嵐も 片付かないままのあれこれも
きのう見た夢もしょぼい未来への野望も
出せないままの手紙も降り止んだ雨に
消えて 跡形もなくなって やがてまつりのあと
平行線をたどるばかりのストーリー
途切れた そこから
繋いでいく
立ち止まった 場所から 歩いていく
浮いた話は望まないストーリー。