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どるとるの部屋


[6097] 春の栞
詩人:どるとる [投票][編集]


水たまりひとつ飛び越えて
まだ見ない景色の中へ
降りしきる雨の中をスピード上げて
花のトンネルくぐり抜けたら
そこは青い海の底だ

めくられていくページの先を 追いかけていく君の軽快な足取り
記憶の中に足跡を刻んで 今がいつか思い出になるように
小さな栞をそっとはさむんだ

カレンダーの端に咲いた桜の花
ほころぶのは君の笑顔
そのままスピードゆるめずに行け
風に舞う花びらのあとを追う
旅立ちの歌だ

極彩色で塗りつぶしたきらめく世界 悲しいことなどない
下手くそなハンドルさばきもご愛嬌
今はやがて 彼方の彼方
残り火みたいにくすぶってる痛み

ひゅるりら ひゅるりら
風がめくるページの向こうでまた長い夜は明けて
ここから歩き出す続きのストーリー

めくられていくページの先を 追いかけていく君の軽快な足取り
記憶の中に足跡を刻んで 今がいつか思い出になるように
小さな栞をそっとはさむんだ

いつかまたここから始められるように。

2015/02/26 (Thu)

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