詩人:どるとる | [投票][編集] |
生まれ変われたとして
何になろうか
重なれないはずの気持ちを分かち合えたとして
どうすりゃいいの
迷いは 必ず 残る
安らぎのあとも
雨上がりが
刻んだ 足跡のように
殺戮は 繰り返されて
長い夜が 明けても
昨日残した爪痕は
トラウマのように消えないままだよ
だから 今は このまま 幸せに 溺れて
明日起こることが予測できたとしてどうするの
いくつものイメージのその中の唯一の存在でも
そんなもの なんの価値もないね
誰でも同じだから
いくら自我を叫んでも
誰も見向きもしない
悲しみは 明日も消えずに
誰かをその渦中にのみこむだろう
僕らは 息継ぎする暇もない
だから 笑えるうちに 笑っておこうか
朝の 片隅に ふいに転がる
ひとつの音 それが 僕らにとって
なんの意味も ないとしても
とりあえず 世界は今日も 昨日と変わらず ここにある
殺戮は 繰り返されて
長い夜が 明けても
昨日残した爪痕は
トラウマのように消えないままだよ
だから 今は このまま 幸せに 溺れて
幸せの中で息絶えよう。