詩人:どるとる | [投票][編集] |
私の手のひらに昨日が映る
陽炎のように朧気な輪郭象る
まぶしい季節は雨の中で花を育てて
明日のいい加減な私を
何も言わずに包み込んだ
ああ 目をそらすな
そこに映る 雨が降るイメージを
それがおまえの死に様だ
私の隅々に行き渡る愛
忘れてしまった 記憶が 押し寄せる
ただ 暑苦しい 季節の 小さな今日の笑顔を
いつまでも覚えているよと君は静かに笑ってみせた
ああ 耳をふさぐな
命を 雨音が 少しずつ削っている
それがすべてのはじまりの終わり
何もかもが 昨日のように思い出していた
あの 蝉しぐれ 嵐の前の静けさの中
吹いていた風の匂いやこの手をつなぐ誰かのぬくもり
ああ 目をそらすな
そこに映る 雨が降るイメージを
それがおまえの死に様だ。