詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕の時計が動き出してから どれくらい経ったのかな
あの時はまだ小さくて 世の中を知らなかった
僕の瞳に映る世界は大きすぎた
命を刻む時計の針があと少しで その時を指す
思い出の向こう側
二人は今も 刻まれる一分一秒の中で生きる
カチカチと秒針が二人の中で動けば
少しずつ少しずつ 終わりは見えてくる
いつの日か止まるだろう 二人の時計は
あの日の産声を抱いたまま 脈打っていく
年老いた白い時計は少しガタがきて鈍い音がしてる
だけれども坂道を確かにのぼっていくよ
世の中を知ったような知らないような僕らは
何もかもわかった顔で それぞれの今を時の向こう側で生きる
ただなんとなく続くとこまで動けば
少しずつ少しずつ 受け入れられるよ
いつの日も一緒だった 二人の時計は
幾つもの物語を抱いて ラストスパートを走ってく
ああ 君のあの声や表情の細部まで
描いたようなビデオや写真の中だけで
続く幸せなら 心に刻まれた思い出にはいつまでも勝てやしない
だから特別何も残さない 大切なものは
いつでもこの瞳の奥にたぎらせてる
カチカチと秒針が二人の中で動けば
少しずつ少しずつ 終わりは見えてくる
いつの日か止まるだろう 二人の時計は
あの日の産声を抱いたまま 脈打っていく
ただなんとなく続くとこまで動けば
少しずつ少しずつ 受け入れられるよ
いつの日も一緒だった 二人の時計は
幾つもの物語を抱いて ラストスパートを走ってく
そしてやがて坂道の終わりが見えたなら
その場所で最後の口づけをしよう
ありがとう あなたと出会って良かった
そんな言葉を永遠に消えないように
心の中に その瞬間を深く刻み込んで。