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どるとるの部屋


[6303] 光と音のデッサン
詩人:どるとる [投票][編集]


僕は何も多分知らない
悲しいこともうれしいことも
誰かの痛みまでは見えない
目を閉じてしまえば
笑っているのか
泣いているのか
それさえ疑わしい

どうして 僕らは
誰かの為に
生きようとしても
せいぜい 出来るのは
ほんのささやかなこと
愛を目の前にしたらあまりに 僕らはちっぽけだ

目も耳も 本当の声や 光に 気づけないようじゃ
何の意味もない
ああ この心の中に生まれた 悲しみひとつ片づけられず
積み重なるばかりの涙を 数えては
過ぎていく日々に 流されてゆく

僕は形も色もない
ためらいも迷いも
捨てられずに すぐにしゃがみこむ

音も光もない世界に
咲いた虹の花
雨上がりに
とても似合っている
答えなんてないし
わからないことばかりだ
だから 時には
道に迷って 途方に暮れる

重ならないはずの音と光が重なり合って
暗闇に朝と夜を描いた
短い針と長い針が 奏でる 規則正しい旋律
ないものはなく あるものはある 世界の中でも
光は光で 音は音で
その片鱗を 僕の耳や目に届ける

だから ここにあるさ
目には映らない世界
耳には聞こえない世界
それはすべて 同じ世界

目も耳も 本当の声や 光に 気づけないようじゃ
何の意味もない
ああ この心の中に生まれた 悲しみひとつ片づけられず
積み重なるばかりの涙を 数えては
過ぎていく日々に 流されてゆく

まっさらな明日の
空に 今日を描いてる
真っ白な 明日の
空に 命を描いてる。

2015/06/02 (Tue)

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