詩人:どるとる | [投票][編集] |
どこまでも 途絶えないループの輪を
くぐって くぐって その向こうへ
いつまでも 終われない物語のあらすじを
追いかけて 追いかけて ページを捲る
つかの間の幸福に酔いしれたあと
すぐに夜が来て 何もかも のみこまれてしまう
泣いていた 笑っていた思い出の中で
あなたは 愛されてた
ちゃんと愛されてた
そんな ありふれた時間を思い出と呼ぶのなら
たとえいつか 跡形もなく 消えてしまうとしても
ひとつまたひとつ積み重ねよう
いつからか 忘れてしまった 宝物の在処
さがして さがして ドアを開けて
いつまでも 見つからないなくした何か
名前も色も形も知らない 思い出のカケラ
長い夢から覚めて気づく
また振り出しから
生まれては消えていくシャボンの記憶
ここにいるよ ここにいるよ 思い出の中に
大切なものは しまわれているだけなのさ
凡そ百年余りの時間の中で出来ることなど
限られてて 出来ないことのほうが多いくらいで
それでも ひたすら 明日また明日と繰り返す
目を閉じて 暗闇に描くいつか
見た景色 それは今も忘れられない
あざやかな場面です
思い出はいつも どうして綺麗なんだろう
泣いていた 笑っていた思い出の中で
あなたは 愛されてた
ちゃんと愛されてた
そんな ありふれた時間を思い出と呼ぶのなら
たとえいつか 跡形もなく 消えてしまうとしても
ひとつまたひとつ積み重ねよう。