詩人:どるとる | [投票][編集] |
ただ優しくて
ただあたたかくて
そんなのが愛だと
思っていた
厳しさや
刺々しさなんて
ただ嫌なだけだ
そう思っていた
愛は今
少しずつ僕の中で
形を変えてゆくよ
でこぼこしている
優しさだけじゃ救われない
たまの厳しさが必要なのさ
愛は優しさだけじゃ伝わらない
涙と痛みの間々にそっと挟み込む程度でいい
そして愛すときは目一杯愛す
そんなものが愛の形
母のような愛の姿
愛とは…すなわち
甘さと辛さが
程よく混ざり合った
炭酸水のようなものなのさ
やさしさだけや
厳しさだけじゃ
愛を届ける方も受け取る方も救われない
だからやさしさと厳しさ 同じくらい届けなきゃだめなんだ
愛とはそういうもののはずだろう
忘れかけてはいないかな?今の時代
ああ 愛を忘れた世界にはただ悲しみだけが残るだけだ
だから今も捨て猫みたいに泣いている誰かの涙が聞こえるようなんだ
ほら 愛を忘れた結果がその涙だよ
ちゃんと拾ってあげなきゃだめさ
涙もその中に込められた痛切な気持ちもすべて
愛を授かった者ならどうぞ最後の最後まで忘れるな 愛という愛を
落としただけだと言え
涙を拾え
愛を平気で捨てるな
人なら 人なら 人なら
愛とは何かくらいわかっててよ
それがいちばんの愛なのかもしれないから。