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どるとるの部屋


[6389] ひとりのうた
詩人:どるとる [投票][編集]


流れていく人波に
少しずつ流されて
自分の色を忘れた
路線図に描かれた
いくつものレールを
指でなぞって追いかけた
どこに向かう旅だろう
旅人は迷い人 あてどもなくさまよう影

教えてよ 僕は このままどこへ行くんだろう
明日の続きを知りたいんだ まだやれることがある気がして
瞳の奥に焼きついたあの夕陽の赤いあかね色が離れない

咲いたばかりの花が
誰かに踏み潰されて
命の尊厳を無視して
理不尽に殺められる
いくつもの不条理から
目をそらしていた
耳をふさいでた
こんな僕は卑怯だろうか
嘘を吐くことを覚えた大人は汚れてるかい?

途端に広がった夕闇にのまれた街並みで 寂しさを抱いた
さよならさえも言えないまま 孤独になってしまったみたいだ
せめてこんな僕に希望と呼べるものがあるなら 明日晴れることを願うよ

この世界に 生まれたときから
僕は笑いたかったんだよ
たくさんの幸せに出会いたくて
微笑む君をこの瞳に描いて
僕は何かを守っていたつもりで自分自身を傷つけていたのかもしれない

教えてよ 僕は このままどこへ行くんだろう
明日の続きを知りたいんだ まだやれることがある気がして
瞳の奥に焼きついたあの夕陽の赤いあかね色が離れない

僕を独りにさせてくれない
まるで君は独りじゃないよと言うように。

2015/07/19 (Sun)

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