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どるとるの部屋


[6409] この街のささやき
詩人:どるとる [投票][編集]


眺めているんだよ
遠く 浮かぶ景色を
誰かの代わりのように
夢の続きを 求めるように

心の一番 そばで あなたの心臓の
脈打つ音を 聴いていた
「生きている」
それだけのことが 今日も僕らを生かしている

たくさんの人が行き交う 街で
いろんな思いにふれるとき
人の 醜さや 人の汚さを知る中で
時折 涙が出るほどに人に感謝して
ありがとうって 愛してるって
ささやきたくなる

忘れたふりで
覚えているんだよ
痛みの中に灯る光を
探り当てるように

あなたと僕の握った手の形は
リボンを結んだときの形

「そばにいる」
ただそれだけで簡単に幸せになれてしまうなんて

人を嫌いになったり好きになったりするのは
振り子のように 都合しだいで 変わる
優しさを一番に求める心が傷ついたとき
気づけば愛した人でさえ憎んでいた
嫌いになっていた

明日の空 見上げながら
ぽつり ぽつり 明かりが消えてくのを見てたら
寂しくなって 切なくなって やがて涙になった

たくさんの人が行き交う 街で
いろんな思いにふれるとき
人の 醜さや 人の汚さを知る中で
時折 涙が出るほどに人に感謝して
ありがとうって 愛してるって
ささやきたくなる。

2015/08/04 (Tue)

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