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どるとるの部屋


[6615] レシピ
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


途方もない時間の顛末を その形や色を
他人みたいに見つめている

お皿は空さ 最初から 何の味気もないのさ

込み上げては過ぎてく思い出を ただ
僕は 眺めていました

見るも 美味なる ご馳走なのに
用意された 料理に手をつけるでもなく

僕らは それをまるでありがた迷惑みたいに思う

願ってもいない 命を与えられて 不満そうに嘆き悲しむ

人たちは 皿の端に踞るパセリを
箸で もてあそんでいるだけだ

用意された レシピには 延々と この世界の楽しみ方が書かれているのに

どんな料理にも 僕の心は動かなかった
だから皿はいつまでも空さ

せいぜい食べ残した 料理が下げられるのを
ひたすら 待つだけだ。

2015/10/15 (Thu)

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