詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕らは何かにつけて比べたがる
すべての物が左右対象ではないことを
知りながら無理やり肩を並べる
線からはみ出すこともできなければ
違う色に染まることもできない
道行く人が同じ顔に見える
何かに操られているように
同じ動作をしているように見える
僕と君では決定的に何かが違うのに
違う形を無理やりねじ曲げたようで
人混みに立っているだけで目眩がする
僕らは 神様を気取って生きている
誰もが正義で誰もがこの物語の主人公で
誰もが褒め称えられるべきヒーローだ
戦争を引き起こそうと人を殺めようと
多くのことにあまりに自由すぎる
きれいごとすら言わない人がいる
正しさばかりをやたらに叫ぶ人がいる
叫ぶこと以外何もできない人がいる
そんな自分に酔いしれている人がいる
天使の皮をかぶった悪魔が卑しく笑う
左右対称のはずなのにズレている
正しさとはなんだ
間違いとはなんだ
なにが正しくあるべきで
なにが間違いであるべきか
僕の中で 回り続ける
そんな答えのない間違い探し
道行く人が同じ顔に見える
何かに操られているように
同じ動作をしているように見える
僕と君では決定的に何かが違うのに
違う形を無理やりねじ曲げたようで
人混みに立っているだけで目眩がする
見せかけの美を装う世界が澱んで見える。