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どるとるの部屋


[6697] 色彩
詩人:どるとる [投票][編集]


先ずは とりあえずページをめくるところから

取っ手なんて便利なものはない

ただひとつの概念を信じて疑わない
単純なほど僕は原色に近かったね

混ぜ合わせることも知らない
パレットで 違う色同士が重なって
新しい色になるのに

世界は いつも ここにあって
君を見つめているんだよ

そして 君は君の世界を生きていて
僕は僕の世界を歩いている

その二つの世界にたいした違いはない

けれど、同じ世界というには

きっとなにかが違うんだろう

まぶしいくらい 君は世界を愛している

手にした絵筆で世界を染めている
下書きもしないで

はみ出したって 気にしないさ
はみ出すくらいがちょうどいい

常識という物差しを手にしたときから
僕は 世界を 勝手な尺度で計っていたよ
でももう必要ないね

誰にとっても世界は世界なのに
君と僕が見てる世界はすれ違うばかり

悲しみひとつにしたって色違い
何を憂い何を愛しているのか

語り出せばきりもなく 途方もない

空を染める青にしたって同じじゃない

君が見てる青と僕が見てる青は同じだ

ただ世界の受け取りかたが違うために

目の前を染める色は同じであって違う色

信じることを疑ったときに既成概念は死んだよ
僕はもう 二度と計算せずに信じることはない
いつも計算ずくで世界を見ているんだ

世界は いつも ここにあって
君を見つめているんだよ

そして 君は君の世界を生きていて
僕は僕の世界を歩いている

その二つの世界にたいした違いはない

けれど、同じ世界というには

きっとなにかが違うんだろう

まぶしいくらい 君は世界を愛している

わざとらしいくらい君は世界に 染められている。

2015/10/27 (Tue)

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