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どるとるの部屋


[6728] 後遺症
詩人:どるとる [投票][編集]


たとえば誰かを傷つけて その誰かが
傷を負ったとしたら僕にはその傷痕が見えないとしたら

それは厄介な傷痕だ 目に見える傷ならまだ治る でも心に負った傷は消えない

後遺症のように あなたをいつまでも
悲しみの中に置いてきぼりにするくらいなら

傷つけた僕に そばにいさせてよ
一生かけて 償わせてよ
償いきれないその罪を 理由に君を愛してもいいですか?
僕は いつの間にか君を忘れられなくなっていました

いつの間にかあなたはその傷痕を愛してしまっている

歪んだような 曲がったような
平行線を 引きながら 真っ直ぐに歩いてるつもりでも レールから逸れた

地平の向こうから朝陽が街を照らした
答えなど 知らない 空欄はいつまでも埋まらない

絶え間ない答え合わせに疲れたなら
思い出してよ いつかあなたをわざと傷つけた僕を

あなたが忘れられないくらい 深い傷痕を心に刻みたい
それは間違った方法なのかもしれない
でも 正しさなんて探したところでも何処にもない
だから間違いも正しさもない

いつの間にか僕らは間違いに 気づきながら その余韻に浸ってた

ああ あなたがつけた傷痕は やがて
僕の中で 大切な大切な後遺症になって

このまま忘れたくないくらい 永遠のない世界でも永遠のものにしたくて

あなたがわざと傷つけたようにわざと愛すんだ

僕はずっと素直にでも下手くそに君を 愛していたんだよ

傷つけた僕に そばにいさせてよ
一生かけて 償わせてよ
償いきれないその罪を 理由に君を愛してもいいですか?
僕は いつの間にか君を忘れられなくなっていました

いつの間にかあなたはその傷痕を愛してしまっている。

2015/11/01 (Sun)

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