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どるとるの部屋


[6727] 月光恐怖症
詩人:どるとる [投票][編集]


早口言葉のように捲し立てる
饒舌な罪人の恐るべき陰口が

あの曲がり角の向こうから 蔑んでる
隙あらば 誰かの弱味につけ入って

それを理由に あなたの傷口を広げるの

あなたは なぜか 暗闇を 恐れない

だけど代わりに 太陽の光を嫌悪する

差し込む月明かりは唯一の良心なのに

あなたはそれにさえ背中を向け

怖じ気が走ると 鳥肌を立てる

ありもしないような月光恐怖症

それはまるでコインの裏表

手のひら返すような悪魔の素顔

優しさなんて知りたくない

悪意のある 優しさなんて知りたくない

計算高い 優しさなんて知りたくない

だから僕は光に背を向ける

月明かりなんて最も嫌いだ

僕をよけてくれ僕を照らさないで

いつか 裏切るように この手を離れる

月明かりなんて嫌いだ憎むべき対象だ

だから永遠にさよならだ。

2015/11/01 (Sun)

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