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どるとるの部屋


[6743] ロードショー
詩人:どるとる [投票][編集]


何ひとつ わからないけれど
映画のような出来具合

雨の終わりはいつかの涙を
彷彿とさせるような余韻

僕の中でずっと 回り続けるフィルム
映写機みたいに映し出すよあの日を

そこに咲いていた花の名前を
その色や形まで
覚えていたい 覚えていよう
忘れないように痛みまで刻み込んで

ひとりぼっちで寂しくないのかな
宇宙の闇に浮かぶあの木星は

瞳の奥に 沈んだままの記憶は
まるで出来損ないのロードショー

あらすじのない散らかったストーリー
途切れ途切れに続いていく

そこに生きていた 人たちの営みは
遠くから見た星のように
小さく瞬いて
それでもはっきりと見えるよ
雨宿りをしよう 夜明けに朝をさがして

何処にもない 宛さえない この
不確かな 世界で 命のある意味など

悲しいくらい 見つからないけど
それでも、命はここにある それだけで

意味のあるものだと思うんだ だから

そこに咲いていた花の名前を
その色や形まで
覚えていたい 覚えていよう
忘れないように痛みまで刻み込んで

せめて 雨の終わりに 間に合うように。

2015/11/02 (Mon)

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