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どるとるの部屋


[6858] 空の飛びかた
詩人:どるとる [投票][編集]


遠い昔の人たちは 空を見上げるたびに

空を飛びたいと願ったという

羽根を 広げた鳥のように
両手を広げても 風ひとつつかめない

僕らは 空の飛びかたをどこかで忘れてしまった

まだ、アリンコみたいに小さな微生物だった頃に

最初の遺伝子が「人間になりたい」と願ったんだとしたら

僕らは飛ぶことより地面を蹴って一歩ずつ歩くべきだと笑う

そして大切なものを見つけるため生きるべきだと 思う

そして見つけたものがやがて宝物となって
君の心をいろんな色に染めてくれる

宇宙に思いを馳せた人たちがいた
昆虫や動物に心奪われた人たちがいた

僕らはどんなものに思いを馳せたりするのかなあ

まだ幼い少年の瞳にはこの世界がどんなふうに見えているのか

たくさんの夢を抱いて 「なりたいもの」に向かって歩いてく

そんな 旅に出る前の旅支度をしているのなら 涙も忘れず持っていけ

笑顔だけでは ままならない 旅になること 知っているなら

小さな 瞳 輝かせて
見上げる空には雲が流れて
目を閉じれば 幾億もの思い出が星のように心にきらめく

僕らは 空の飛びかたをどこかで忘れてしまった

まだ、アリンコみたいに小さな微生物だった頃に

最初の遺伝子が「人間になりたい」と願ったんだとしたら

僕らは飛ぶことより地面を蹴って一歩ずつ歩くべきだと笑う

そして大切なものを見つけるため生きるべきだと思う。

2015/11/21 (Sat)

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