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どるとるの部屋


[6896] 私の欠片
詩人:どるとる [投票][編集]


雨の冷たさを こぶしの痛みを

知っているのならそれは愛の残した

けっして消えないあたたかな傷痕です

ありがとうとか 愛してるとか

もうそんな言葉では伝わらない

僕はそっと言葉を胸にしまって

ただあなたの ぬくもりにうずくまる

学んできた事が何も役に立たない

そんなときは 頭でっかちの知識は捨てて

ただ心のままに全身で抱きしめるの

あなたの海に 肩まで浸かる僕はもういない

愛をくれてありがとう

厳しさをくれてありがとう

優しさをくれてありがとう

たくさんのことをあなたは教えてくれた

笑っちゃうくらい下らないこと

泣いちゃうくらい大切なこと

それがすべて私の欠片

浜に上がった貝殻のように

きれいな七色に輝いてる

陽射しのあたたかさは人肌の温もりだ

冬の空に吹く風は戒めるようだ

優しさだけを欲しがる大人にならぬよう

無償の愛を教えるために お金の無意味さを教える

どんなに たくさんのお金も心の貯金箱は満たせないと あなたは言う

小手先の言葉で すべてを綴らぬよう

簡単でも心のこもった言葉を知るよう

読み始めた本の間に小さな栞を挟むのさ

慰めてくれて ありがとう
情けをかけてくれて
信じてくれてありがとう

あなたが教えてくれたすべてを覚えてはいない

でも覚えてるだけのことを胸に秘めて

これからの長い道を生きていきます

だからどうか見守っていてください
遠い空の向こうから

愛をくれてありがとう

厳しさをくれてありがとう

優しさをくれてありがとう

たくさんのことをあなたは教えてくれた

笑っちゃうくらい下らないこと

泣いちゃうくらい大切なこと

それがすべて私の欠片

浜に上がった貝殻のように

きれいな七色に輝いてる。

2015/11/25 (Wed)

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