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どるとるの部屋


[6912] 旅立ちのうた
詩人:どるとる [投票][編集]


新しい街にも 慣れた頃に 僕らは
生まれた街の空の色にもう一度 会いたくなった

東京の 街並みは 節操のないふりをして

見上げる夕日だけは変わらず優しい色です

出会うすべての人が優しい人ではない

けれど触れたぬくもりの温かさを

僕はもう知っているから多分もう二度と

たやすく人を嫌うことはできない

旅立ちのうた この名前のないときめきと

ほんの少しの不安を 道連れに未来へ旅立とう

「希望は自分の手で描くものだと知ってる」

積み重なった 雑誌の山 捨てられずに

読みもしないのに 部屋の一部を占領している

駅のホーム この風に吹かれるたび
僕は新しい気持ちになれる

何かがはじまりそうだ 新しいページがめくられたよ

頼ることも頼られることもない日常

だけど 今いるこの場所は気に入っている

僕らはこのまま宛もなく旅する浮き雲

風に吹かれて 自由気ままなはぐれ猿

旅立ちのうた この無遠慮なときめきは

厄介だ今日より明日を楽しみにさせる

「夢は叶わなくても夢だと知っている」

小雪混じりの街は

何かと 言葉少なな

僕らの距離を 少しずつ近づける

息もあたるくらい近く ふと触れた指先

いつの間にか僕のほうから 君の手を 握っていた

すぐに伝わる熱が なんだろう こんなにも心強い

出会うすべての人が優しい人ではない

けれど触れたぬくもりの温かさを

僕はもう知っているから多分もう二度と

たやすく人を嫌うことはできない

旅立ちのうた この名前のないときめきと

ほんの少しの不安を 道連れに未来へ旅立とう

「希望は自分の手で描くものだと知ってる」

2015/11/28 (Sat)

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