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どるとるの部屋


[6989] 帰る場所
詩人:どるとる [投票][編集]


気づけば もう さよならの時間

早く帰らなきゃとただいまって言葉を

胸にしまいながら 駆け足で家路を行く

歩道橋の真ん中に来たときに

ちょうど沈む夕日が見えました

なぜか いつの間にか僕は涙を流していた

その時の涙の色を僕はいつまでも忘れない

だってとてもやさしい色だったから

こうやって 大切なものを一つ一つ

僕は手にしながら 同じように

何か大切なものを なくしていくだろう

だけどそのなかで きちんと何が大切なのか

判断できるだけの心を 養っていく

心が帰る場所は ひとつだけ 温かなあなたが待つ
いつまでも色褪せない思い出という屋根の下

時計が 忙しく刻む時間も

空と同じように 心を宿してる

悲しみや喜びがこの胸に伝わる

お腹が鳴るのは どうしてなんだろう

どんなに 悲しい日もお腹だけはすくよ

泣きながらも 考えている夕飯のこと

生きたい気持ちをなくしてもそのたび 僕は気づくのさ

生きたいと思う気持ちは消えないこと

生きていくなかで 見つけた大切なものを

拾いながら あるいは落としながら

形あるものにはない見えないものに心は 気づくんだ

人が最後に抱きしめていたいのは思い出だけだと思った

まだ道は続く これから先もまだまだいろんなことがある

悲しいこと 嬉しいこと たくさんのことに出会いたい

途方に暮れても帰る場所だけは 消えない
この世界にひとつだけあなたがいる場所

こうやって 大切なものを一つ一つ

僕は手にしながら 同じように

何か大切なものを なくしていくだろう

だけどそのなかで きちんと何が大切なのか

判断できるだけの心を 養っていく

心が帰る場所は ひとつだけ 温かなあなたが待つ
いつまでも色褪せない思い出という屋根の下

「おかえり」と「ただいま」が交わせる場所。

2015/12/10 (Thu)

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