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どるとるの部屋


[6990] 愛のうた
詩人:どるとる [投票][編集]


絵に描いたような 幸せな未来を

待ちわびていたよ何の構えもなしに

どこへ行くというの こんな 無防備な心で

疑いなんか 知らない
裸のままの無邪気さは

傷つくことに不慣れで すぐに逃げたがる

愛とか優しさとかじゃなくて

その醜い 傷跡さえも愛したい

よこしまな 感情にさえもふれたい

そばにいたいと思えば思うほどに

僕は弱くなってしまう 情けなくなってしまう

鏡に映った 僕の姿は愛を知ったことで 優しさを覚えた

君のせいってことにして 迷わず手を握ることにしたよ

ショウトフィルムのなかの主人公とヒロインみたいに

定められた愛に生きる二人は 正義で

レールをはずれた二人は悪なのですか

もし 愛に 定義や基本姿勢なんてものがあるなら

本にでもして 形にしてくれないと すぐ道に迷ってしまう

抱きしめた まだ完璧じゃない手つきで

頼りない 背中でおぶってしまった

間違いだらけでも間違い探しはしない

答え合わせも 確かめ算も無意味だ

弱いまま 情けないまま 愚かなら愚かなままで

線をはみ出すくらいの覚悟で 生きていきたい

そうして見えてきたものを たとえば愛と名付けよう

街にあふれる いくつもの
つまらないラブソングに

吐き気を催すようになったのは
いつからだろうか きれいごとが 散乱した言葉に辟易して
愛を愛してると解釈するにはいささか素直過ぎるな
それとも僕が年老いたのかな

愛とか優しさとかじゃなくて

その醜い 傷跡さえも愛したい

よこしまな 感情にさえもふれたい

そばにいたいと思えば思うほどに

僕は弱くなってしまう 情けなくなってしまう

鏡に映った 僕の姿は
愛を知ったことで 優しさを覚えた

君のせいってことにして 迷わず手を握ることにしたよ。

2015/12/10 (Thu)

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