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どるとるの部屋


[7018] 手のひら
詩人:どるとる [投票][編集]


道の片隅に落ちている涙の落とし物
誰も見向きもしないこんなに人がいるのに

空き缶ひとつ拾えないその手は なんのためにある
私が落としたゴミじゃないから 私には関係ない

そんな人にいつからなったの
君の心はいつからそんなに汚れたの

通り過ぎてくいくつもの 涙の目の前を
平気で素通りできる人にはならないで

あなたが泣いているなら私はあなたのために
何もできない代わりに涙を流すでしょう

弱い人の 背中に そっとおかれた手のひら
それは何より強い支えになって あなたを守るだろう

優先席の前に立つ お年寄りがいた
優先席を埋めているのは若い学生たち

しゃべるばかりでちっとも譲ろうとしない
お年寄りは諦めて前の車両に移った

そんな寂しい人にいつからなったの
いつから人より自分を優先する人になったの

いつでも優しい人でいろとは言わない
だけど優しさを使うべき時を見逃すな

あなたが誰かのために涙を流さなくても
あなたのために涙を流してくれる人がいる

誰かがあなたに教えてくれる 優しさをくれる
心が熱くなるのは あなたの中にも心があるから

言葉を 使わずに愛を伝えたいけど
伝えるには どうすればいいかな
今はそれを探す 旅の途中
空は 昨日よりどこか澄みきっている

通り過ぎてくいくつもの 涙の目の前を
平気で素通りできる人にはならないで

あなたが泣いているなら私はあなたのために
何もできない代わりに涙を流すでしょう

弱い人の 背中に そっとおかれた手のひら
それは何より強い支えになって あなたを守るだろう。

2015/12/13 (Sun)

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