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どるとるの部屋


[7027] ギフト
詩人:どるとる [投票][編集]


雪を待つように 窓の外を頬杖ついて
見上げる夜には 一面の星空が見える

クリスマスも近づいて
緑と赤の色たちが妖精みたいに
駅の真ん中のツリーを飾ってる

誰を待ち焦がれているんだろう
さっきから時計とにらめっこして
そわそわしている白いマフラーのあの人は

誰もが その時を静かに待っているんだねそれぞれの思い出の中にあるクリスマスには
ちゃんとサンタクロースだっているさ

手放さないようにとつないだ右手は
しだいに君の熱で火照っていく
疑いようのない幸せがここにある

名前のない 気持ちに包まれたなら
楽しいのはまだまだ これから
駆け出そう子供みたいに 君がくれる このひとときはギフト
大切に 抱きしめてる

ポケットにしのばせた指輪と今すぐ伝えたい思い

白い雪降る街並み 寒さに頬を赤くした
君は笑って 僕の心配ばかりをする
今日ばかりはそんなありふれた優しさもいつにもまして愛しい

人は恋をすると どうして気持ちを言葉にすることができなくなるの

どっつつかずの想いもいまだ変わらぬ毎日も よれよれのシャツも全部まとめて 抱きしめたい

君の帰りが 待ちきれなくて
駅へと走る 今か今かと電車を待つ
ドアから降りてきた君に 駆け寄れば
ほらホッとして泣いちゃうんだ

どうかいつまでもそのままの君でいて
そう願った今の気持ちを忘れないで
星が降る夜の帰り道に寄り添い歩いた

付かず離れず二人の歩幅は 追い抜いたり 追い抜かれたり
ばらばらだけど いつの間にか こうしている毎日が当たり前になった 何気ないいつもの言葉 それがギフト
毎日が記念日のようだ

そして雪は降り止み 固くかじかんだ手もほどけていく
冬の命は短いから
大切にしよう 今というひとときを
与えられている 一度きりの時間を。

2015/12/15 (Tue)

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