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どるとるの部屋


[7048] ガラスの靴
詩人:どるとる [投票][編集]


ぼんやりと 暮れゆく空を眺めていたら
僕も同じ色に染まっていた

まぶたの裏に映るいくつもの映像が
今日の涙や笑顔を 振り返るように 思い出させる

目をつむった暗闇に君を思い描くよ

輪郭を たどる指先が君のイメージが

ぼやけてしまうのは君を知らないから

ほらね だから泣いてる顔しか浮かばない

僕は君に サイズの合わない冷たいガラスの靴を履かせていたんだね

それを見てきれいだとか 似合うよだとか言っていた そんな僕は どうかしてた

波が押し寄せる海にうち上がった二枚貝

ポカンと口を開けたように味噌汁に浮かぶ

寒い冬の夜に君が作ってくれた一品

もう冬だね 寒さもこれから厳しくなる

紫色に染まった 空が 抱いているのは
なんだろう 僕がなくした素直さかな

目をつむった暗闇に君を思い描くよ

輪郭を たどる指先が君のイメージが

ぼやけてしまうのは君を知らないから

ほらね だから泣いてる顔しか浮かばない。

2015/12/19 (Sat)

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